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お役立ちコラム

内定が出たのに迷うときは?承諾前に確かめたい労働条件と条件交渉の進め方

内定の連絡を受けたのに、素直に喜べない。「本当にこの会社でいいのか」「条件をもう少し相談したいけれど、言い出したら印象が悪くなるのでは」と迷うのは、おかしなことではありません。

このコラムでは、内定から承諾の返事をするまでの間に確かめておきたい労働条件と、条件交渉の考え方、入社後のギャップを減らすための確認ポイントを、労働基準法・職業安定法のルールとあわせて整理します(2026年10月時点)。

内定後に迷ったら、まず「何に迷っているか」を分ける

内定後の迷いは、中身を分けると次の行動が決めやすくなります。当コラムでは、次の4つに分けて考えることをおすすめしています。

  • 条件の迷い:給与・休日・勤務地など、書面で確かめられるもの
  • 仕事内容の迷い:入社後に任される業務や、将来の配置が見えないもの
  • 職場の迷い:人間関係や社風など、書面だけでは分からないもの
  • タイミングの迷い:他社の選考結果を待ちたい、今の職場を辞める決心がつかない、など

条件と仕事内容の迷いは、書面の確認や企業への質問で解消できる場合があります。職場の迷いは、職場見学や面談の機会を相談することで、判断の材料を増やせます。タイミングの迷いは、回答期限の相談が中心になります。以下、順番に見ていきます。

承諾の前に、労働条件を書面で確かめる

内定を承諾する前にいちばん大切なのは、労働条件を書面などで確かめ、求人票や面接で聞いた内容と見比べることです。

労働条件は書面での明示が原則

労働基準法第15条第1項は「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と定めています。契約期間、就業の場所と業務、始業・終業の時刻や休日、賃金、退職に関する事項などは、原則として書面の交付で明示することとされています(労働基準法施行規則第5条。労働者が希望した場合は、FAXや、出力して書面にできる電子メールなどの方法も認められています)。

休日や労働時間の欄の読み方は、飲食店で休みが取れないときに求人票で確かめたい休日と労働時間の条件のコラムでも紹介しています。

2024年4月から加わった「変更の範囲」も見る

2024年4月1日から、就業の場所と従事すべき業務について、入社直後の内容だけでなく「変更の範囲」も明示する事項に加わりました(労働基準法施行規則第5条)。

厚生労働省の求職者向けリーフレットは、「変更の範囲」を「雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、締結する労働契約の期間中における変更の範囲のこと」と説明しています(出典:厚生労働省「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」)。同リーフレットには、就業場所が「(雇入れ直後)大阪支社」「(変更の範囲)本社および全国の支社、営業所」という記載例もあります。

「今の勤務地なら通える」と思って承諾しても、変更の範囲が広ければ、将来の転勤や異動の可能性は残ります。勤務地や仕事内容にこだわりがある方ほど、承諾前に目を通しておきたい欄です。

求人票や面接と違う点があれば、変更の明示を受ける

求人票や面接で示された条件と、内定時に示された条件が違うこともあります。職業安定法第5条の3第3項と同法施行規則は、求人者が当初示した労働条件を変更・特定・削除したり、新たに追加したりして労働契約を結ぼうとする場合に、その内容を求職者に明示するよう定めています。

この明示のしかたについて、国の指針(平成11年労働省告示第141号)は次のような考え方を示しています(出典:厚生労働省 法令等データベース「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者…が適切に対処するための指針」)。

  • 当初の明示と変更内容を対照できる書面を交付する方法が望ましい(労働条件通知書で変更箇所に下線を引く・着色する・注記する方法も可能)
  • 条件の調整が終わったら、求職者が契約するかどうか考える時間を確保できるよう、可能な限り速やかに明示する
  • 変更の理由などを質問されたら、適切に説明する

同じ指針は、当初の明示について「そのまま労働契約の内容となることが期待されているもの」とし、当初の明示を安易に変更・削除・追加してはならないとも述べています。条件が変わっている点に気づいたら、遠慮せずに理由を確認してかまいません。

なお、ハローワークの求人で、求人票と面接で説明された条件が違う場合は、ハローワークの窓口に申し出ることもできます(厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A)。

見比べるときのチェックリスト

求人票・面接での説明・内定時の書面を並べて、次の項目が食い違っていないかを確認しましょう。

  • 業務の内容(入社直後と変更の範囲)
  • 就業の場所(入社直後と変更の範囲)
  • 契約期間・更新の有無と基準・試用期間(試用期間中の給与が別に定められていないか)
  • 始業・終業の時刻、休憩、休日、時間外労働の有無
  • 賃金(固定残業代がある場合は、何時間分か・超えた分の扱い)
  • 加入する保険(雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金)

条件交渉はしてもいい?伝え方と順番

条件の相談は、承諾の返事をする前に伝えるのが進めやすい順番です。承諾したあとに条件の変更を求めると、企業側もすでに受け入れの準備を進めているため、調整が難しくなりがちです。

譲れない条件を1〜2個に絞る

給与、勤務地、休日、入社日など、気になる点をすべて交渉の対象にすると、企業は何を優先すべきか判断しにくくなります。「これが満たされなければ入社を決めにくい」という条件を1〜2個に絞り、それ以外は確認にとどめると話を進めやすくなります。

理由を添えて、具体的に伝える

「もう少し上げてほしい」と伝えるより、「現在の年収と、これまで担当してきた業務の範囲を踏まえて、〇〇円程度を希望しています」のように、根拠と希望をセットで伝えるほうが、企業も社内で検討しやすくなります。なお、交渉の結果は企業の判断によるもので、希望どおりになるとは限りません。

人材紹介会社の担当者が間に入る方法もある

人材紹介会社を通して応募している場合は、担当者を通じて条件を相談する方法があります。株式会社ウーヴルコンサルティングでも、給与・休日・職場環境など、ご自身では直接聞きづらい点を担当が代わって企業に確認し、内定後の条件交渉もサポートしています。

入社後のギャップを減らすために確認したいこと

入社後の「思っていたのと違う」は、書面の条件よりも、日々の働き方の中で起きることがあります。承諾前に、次の点を確認しておくとギャップを減らしやすくなります。

最初に任される仕事と、その先の働き方

配属先、入社後しばらくの間に担当する業務、評価のされ方などです。先ほどの「変更の範囲」とあわせて聞くと、数年先の働き方もイメージしやすくなります。

残業・休日の実際

求人票の時間外労働の記載は、平均で書かれていることもあります。繁忙期の働き方や、休日の決まり方(曜日が固定か、シフトで決まるか)を聞いておくと安心です。

職場を見る機会

可能であれば、職場見学や、配属予定の部署の方と話す機会を相談してみましょう。応じてもらえるかどうかは企業の判断ですが、雰囲気を知る材料になります。

回答期限に決めきれないとき

回答期限までに決めきれないときは、期限を過ぎてしまう前に、理由を添えて早めに相談することが大切です。

期限の延長は「いつまでに」を添えて相談する

「他社の最終面接の結果が〇日に出るため、〇日までお返事をお待ちいただけないでしょうか」のように、理由と希望する日付をはっきり伝えると、企業も検討しやすくなります。延長に応じるかどうかは企業の判断です。

承諾後に考えが変わったら

承諾したあとで辞退を考えるようになった場合は、分かった時点でできるだけ早く、誠実に連絡しましょう。入社日が近づくほど、企業側の受け入れの準備が進んでいくためです。人材紹介会社を通している場合は、まず担当者に相談してください。

反対に、入社を決めたあとは、今の職場への退職の申し出や入社日の調整が始まります。その段取りは在職中の転職活動の進め方のコラムで紹介しています。

入社後に条件が違うと分かったら

労働基準法第15条第2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合について、「労働者は、即時に労働契約を解除することができる。」と定めています。ただし、実際にどう扱われるかは個別の事情によります。入社後に条件の違いに気づいたら、まず明示を受けた書面を手元にそろえて企業に確認し、解決しない場合は、都道府県労働局や労働基準監督署の相談窓口への相談を検討してください。

まとめ|迷ったときは、決める前に相談を

  • 迷いを「条件・仕事内容・職場・タイミング」に分けると、次にとる行動が決めやすくなる
  • 承諾前に労働条件を書面で確かめ、求人票や面接の内容と見比べる。2024年4月からは「変更の範囲」も明示事項
  • 当初と違う条件が示されたら、変更の明示を受け、理由を確認してよい
  • 条件交渉は承諾の前に、譲れない条件を絞り、理由を添えて伝える
  • 回答期限に間に合わないときは、理由と日付を添えて早めに相談する

出典:厚生労働省「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」(求職者向けリーフレット)、厚生労働省 法令等データベース「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針」、厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A。本記事では、これらの内容を当社で要約・編集して紹介しています(2026年10月時点)。

株式会社ウーヴルコンサルティングでは、当社からご紹介した求人について、内定後の条件の確認や条件交渉、入社後の定着まで、専任の担当がご一緒します。内定を受けるかどうか迷っている段階でのご相談も歓迎です。今すぐ決めていなくても構いません。進め方は転職サポートの流れをご覧いただき、気になることがあればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

よくあるご質問

内定後の条件交渉は、いつ伝えるのがよいですか?
承諾の返事をする前に伝えるのが進めやすい順番です。承諾したあとに条件の変更を求めると、企業側もすでに受け入れの準備を進めているため、調整が難しくなりがちです。譲れない条件を1〜2個に絞り、理由を添えて伝えると、企業も社内で検討しやすくなります。なお、交渉の結果は企業の判断によるもので、希望どおりになるとは限りません。
労働条件の「変更の範囲」とは何ですか?
2024年4月1日から明示する事項に加わったもので、就業の場所と従事すべき業務について、入社直後の内容だけでなく、将来の配置転換などの見込みも含めた、労働契約の期間中に変わりうる範囲のことです。厚生労働省のリーフレットには、就業場所が「(雇入れ直後)大阪支社」「(変更の範囲)本社および全国の支社、営業所」という記載例があります。
求人票と内定時の労働条件が違うときは、どうすればよいですか?
職業安定法第5条の3第3項と同法施行規則は、求人者が当初示した労働条件を変更・特定・削除したり、新たに追加したりして労働契約を結ぼうとする場合に、その内容を求職者に明示するよう定めています。国の指針は、変更の理由などを質問された場合には適切に説明することとしています。違いに気づいたら、承諾の前に理由を確認しましょう。
内定の返事を待ってもらうことはできますか?
延長に応じるかどうかは企業の判断ですが、期限を過ぎてしまう前に、理由と希望する日付を添えて早めに相談すると、企業も検討しやすくなります。人材紹介会社を通して応募している場合は、担当者に相談してください。
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