verifiedご相談・ご登録 0円
お役立ちコラム

在職中の転職活動はどう進める?時間の作り方と会社に知られない工夫

在職中の転職活動はどう進める?時間の作り方と会社に知られない工夫

「転職したい気持ちはあるけれど、働きながらどう進めればいいのか分からない」。在職中の方からのご相談で、最初にうかがうことの多い悩みです。

辞めてから探すほうが時間は取れます。ただ、収入が止まった状態では判断が急ぎがちになります。そこで多くの方が選ぶのが、在職中に動き始めるという進め方です。このコラムでは、在職中の転職活動でつまずきやすい「時間が取れない」「会社に知られたくない」の2つについて、法律上どうなっているのかを確かめながら、現実的な段取りを整理します。

在職中に動くか、辞めてから動くか

どちらが正しいというものではありません。ただ、進め方の性質がはっきり違います。

在職中の強みは「急がなくてよい」こと

在職中は収入が続きます。そのため、納得できる求人が出るまで待つ、条件を妥協せずに見送る、といった選択が取りやすくなります。職歴に空白期間ができない点も、応募先への説明がしやすい要素です。

反対に、退職してから探す場合は時間の自由が利く一方で、次が決まらない期間が延びるほど、当初考えていた条件から離れた判断をしてしまうことがあります。どちらを選ぶにせよ、先に段取りを決めてから動くほうが、結果として早く進みます。

在職中の難しさは「時間」と「知られたくない」の2つに集約される

在職中のご相談でうかがう困りごとは、ほとんどがこの2つです。

  • 時間:面接の日程が平日の日中に設定される。書類を書く時間が取れない
  • 知られたくない:まだ決まっていない段階で、社内に伝わってしまうのは避けたい

どちらも気持ちの問題ではなく、段取りで小さくできる部分があります。順に見ていきます。

時間をつくる|年次有給休暇のルールを正しく知っておく

面接の時間を作る手段として、まず現実的なのが年次有給休暇です。ここは誤解が多いところなので、条文と公的な解説で確認しておきます。

なお年次有給休暇は、労働基準法第39条により「その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者」に与えられるものです。入社して間もない場合は、まだ付与されていないことがあります。まずはご自身の残日数を確認するところから始めてください。

取る日を決めるのは、原則として働く人のほう

労働基準法第39条は「使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定めています。厚生労働省の解説でも、「労働者が指定した具体的な月日が年休付与日となり、分割するか、又は何日継続するかも、原則として労働者が決定でき、使用者の承認は必要ではありません」と説明されています。

取得の理由については、法律が要件として定めているわけではありません。同じ解説では、年次有給休暇の取得を理由とする不利益な取扱いについても触れられており、労働基準法は附則で「使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」と定めています。

ただし、申請の手続きそのものは会社ごとに決められています。申請の期限や方法は就業規則を確認し、その手順に沿って出してください。

会社が日をずらせるのは「事業の正常な運営を妨げる」とき

同じ第39条には、続けてこう書かれています。「ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」。これがいわゆる時季変更権です。

厚生労働省の解説は、この「事業の正常な運営を妨げる」場合の例として、年末など特に業務が忙しい時季や、同じ時期に多数の労働者の指定が重なって全員には付与しがたい場合を挙げ、その判断は「請求を行った労働者の所属する事業場を基準として、個別的、具体的に客観的に判断されます」としています。あわせて、勤務割を変更して代替勤務者を配置することが可能であるにもかかわらず、休暇目的によってそのための配慮をせずに時季変更権を行使することは許されない、とする判例も紹介されています。

一方で、同じ解説では、年休による長期の休暇取得については「使用者にある程度の裁量的判断の余地を認めざるを得ない」として時季変更権の行使を認めた判例も紹介されています。転職活動で必要になるのは1日や半日単位の取得が中心ですので通常ここまでの話にはなりませんが、まとめて長く取りたい場合は早めに相談するほうが現実的です。

実務上の要点は、繁忙期と重なる日をあえて選ばないことと、早めに申し出ておくことです。ここを押さえておけば、調整が必要になる場面自体が減ります。

半日単位・時間単位で取れる会社もある

年次有給休暇は1日単位での付与が原則で、厚生労働省の解説でも、労働者が半日単位で請求しても使用者に応じる義務はないと説明されています。一方で、就業規則などに定めがあれば半日単位の取得を認めている会社は多く、労使協定を結んだ事業場では5日の範囲内で時間単位の取得もできる仕組みになっています。

面接1件のために丸1日を使う必要はありません。自社の就業規則で半日・時間単位の扱いがどうなっているかを、先に確認しておくと選択肢が広がります。

有給以外の時間の使い方も組み合わせる

面接の設定は、平日の日中だけとはかぎりません。企業によっては平日の夜や土曜、オンラインでの実施に対応しています。最初のご相談も、オンラインで承っています。

当社は2012年からリモートでの相談体制をとっていますので、勤務地や居住地にかかわらず、ご都合のつく時間帯でご相談いただけます。日程調整をこちらで代わって行うこともできますので、「この曜日のこの時間帯なら動ける」という条件を先に共有していただくのが、いちばん早い進め方です。

会社に知られずに進めるために気をつけたいこと

ここで言う「知られない」は、隠しごとをするという意味ではありません。転職するかどうか決まっていない段階で憶測が広がると、本人も職場も動きづらくなるため、伝える順番を整えておく、ということです。

話す相手を増やさない

社内で最初に伝わるきっかけは、多くの場合、本人が信頼している同僚への相談です。悪意がなくても、話が広がる経路は増えます。伝えるのは、退職を申し出ると決めたあと、上司からという順番が基本になります。

取引先や、同じ業界で働く知人にも同じことが言えます。飲食や医療・介護のように地域内での横のつながりが強い業界では、想定していない経路で話が戻ってくることがあります。

会社の端末・回線・連絡先を使わない

応募書類の作成、求人の閲覧、エージェントとのやり取りは、私物の端末と個人のメールアドレスで行ってください。社用のパソコンやスマートフォン、社内のネットワークは、会社の管理下にあるのが通常です。

連絡先として登録する電話番号やメールアドレスも、個人のものを使います。日中に電話に出られない場合は、その旨をあらかじめ伝えておけば、連絡方法をあわせてもらえます。

応募書類とスカウトサービスの公開範囲を確認する

履歴書や職務経歴書に書く内容と、求人サイトの公開プロフィールは別のものです。スカウト型のサービスを使う場合は、現在の勤務先や関連会社に自分の情報が表示されない設定になっているかを、登録の時点で確認してください。設定の名称や可否はサービスごとに異なります。

SNSの投稿も同様です。転職活動をうかがわせる内容は、公開範囲にかかわらず控えておくほうが安全です。

人材紹介会社には、法律上の守秘義務があります

有料職業紹介事業者は、職業安定法にもとづく許可を受けて事業を行っています。同法第51条は「正当な理由なく、その業務上取り扱つたことについて知り得た人の秘密を漏らしてはならない」と定めており、この義務は事業者や担当者がその立場でなくなった後も続きます。

あわせて同法第5条の5は、求職者の個人情報について、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集し、その目的の範囲内で保管・使用しなければならないと定めています(本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合を除く)。

そのうえで、気になる点は最初に伝えておくことをおすすめします。「現職には知られたくない」「この企業グループには応募したくない」といったご希望は、その範囲をお聞かせいただければ、それを踏まえた進め方をいたします。

内定が出てからの段取り|退職の申し出と有給の消化

在職中の転職活動は、内定で終わりではありません。むしろここからが、日程の詰まる場面です。

退職を申し出る時期

民法第627条は「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。

ここで注意したいのは、この規定が雇用の期間を定めなかった場合のものだという点です。契約期間の定めがある働き方では扱いが異なりますので、まずはご自身の労働契約書で期間の定めの有無を確認してください。判断に迷うときは、末尾にご案内する公的な相談窓口をご利用ください。

一方で、就業規則に「退職は1か月前までに申し出る」といった定めを置いている会社は少なくありません。どちらが優先されるかは個別の事情によりますので、ここで一律の結論は申し上げられません。現実的なのは、引き継ぎに必要な期間から逆算して、就業規則の定めより早めに申し出ることです。揉めずに進むことが、結局はご自身の負担をいちばん軽くします。

退職日までに使い切る年次有給休暇は、会社が別の日にずらせません

厚生労働省の解説は、退職間近に労働者が残存年休の全てを使い切って退職したいと申請する場面について、こう説明しています。「退職をもって年休権が消滅することから、使用者は時季変更権を行使しえず、同年休取得を認めるほかありません」。時季変更権は「他の時季に与える」ための権利なので、退職後に与える日が存在しない以上、行使できないという整理です。

同じ解説には、「会社側が業務の引き継ぎなどが必要な場合、ときに退職日を遅らせるなどの打診がされることがありますが、これに応ずるか否かは労働者に委ねられています」とも書かれています。

もっとも、権利として通ることと、気持ちよく送り出されることは別です。残日数を確認したうえで、引き継ぎの予定と一緒に相談する形にすると、話がこじれにくくなります。なお、年次有給休暇の請求権は労働基準法第115条にもとづき2年で時効消滅すると解されている、と同じ解説は説明しています。

入社日は「決める前」に相談する

もっとも調整が難しいのが、応募先の希望する入社日と、現職の退職日、そして有給消化の日数が噛み合わないケースです。内定を受けたあとに気づくと、どちらかに無理をお願いすることになります。

選考が進んだ段階で、残っている有給の日数と、引き継ぎに必要だと考えている期間を先に共有しておいてください。仲介が入っている場合は、その条件を踏まえて入社日の相談ができます。選考から入社までの進め方は転職サポートの流れにまとめています。

まだ転職を決めていない段階でも構いません

在職中の転職活動は、情報を集める時間そのものが取りにくいという点で、辞めてから探す場合とは別の難しさがあります。だからこそ、動く前に狙いを決めておくことの効果が大きくなります。

株式会社ウーヴルコンサルティングは、飲食専門・医療介護・総合の3分野で人材紹介を行っています。求人票からは読み取りにくい職場の体制や働き方については、企業の内情を把握したうえでご説明しますし、ご本人からは聞きづらいことは代理でおたずねすることもできます。取り扱う分野の全体像は総合人材紹介のページにまとめています。

2012年からのリモート体制で、全国どこからでも、在職中で時間の取りにくい方にもご相談いただけます。「まだ転職すると決めたわけではないが、選択肢だけ知っておきたい」という段階のご相談も歓迎しています。迷っている段階での相談については転職を迷っている段階で相談してもいい?もあわせてご覧ください。ご相談はお問い合わせから承っています。

まとめ

在職中の転職活動でつまずくのは、多くの場合、気持ちではなく段取りです。

  • 年次有給休暇は、原則として取る日を自分で指定できる。会社が別の日にできるのは「事業の正常な運営を妨げる」場合にかぎられる
  • 半日・時間単位の取得ができるかは、就業規則を先に確認しておく
  • 知られないための基本は、話す相手を増やさない・会社の端末や回線を使わない・公開範囲を確認するの3点
  • 人材紹介会社には職業安定法上の守秘義務がある。配慮してほしい範囲は最初に伝えておく
  • 内定後は、退職の申し出・有給の消化・入社日を同時に考える。退職前の年休のうち退職日までに消化しきる分は、会社が時季をずらせない(退職後に与える日が無いため)

法令や制度の取扱いは改正により変わることがあります。最新の内容は、厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇、労働基準法(e-Gov法令検索)、民法(同)、職業安定法(同)をご確認ください。本記事では、これらのページの内容を要約・編集して紹介しています。個別の労働条件についてのご相談は、お住まいの地域の労働局・労働基準監督署の総合労働相談コーナーでも受け付けています。

よくあるご質問

有給休暇を申請するとき、理由を伝えないといけませんか?
労働基準法第39条は「使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定めており、取得の理由を要件としてはいません。厚生労働省「確かめよう労働条件」の解説でも、労働者が指定した具体的な月日が年休付与日となり、分割するか何日継続するかも原則として労働者が決定でき、使用者の承認は必要ではない、と説明されています。ただし年次有給休暇は、雇入れの日から6か月間継続して勤務し全労働日の8割以上出勤した方に与えられるものですので、入社して間もない場合はまだ付与されていないことがあります。また申請の期限や方法は会社ごとに就業規則で定められていますので、その手続きには沿ってください。なお会社が日をずらせるのは、請求された時季に与えることが「事業の正常な運営を妨げる」場合にかぎられ、その判断は事業場を基準に個別的・具体的・客観的に行われるとされています。
転職活動をしていることが、いまの会社に知られてしまうことはありますか?
多くは、社内の同僚への相談や、同じ業界の知人・取引先を経由して伝わります。伝えるのは退職を申し出ると決めたあとに上司から、という順番を基本にしてください。あわせて、応募書類の作成やエージェントとのやり取りは私物の端末と個人のメールアドレスで行い、スカウト型サービスを使う場合は現在の勤務先や関連会社に自分の情報が表示されない設定になっているかを登録時に確認します。なお有料職業紹介事業者には職業安定法第51条の守秘義務があり、この義務は事業者や担当者がその立場でなくなった後も続きます。同法第5条の5は、求職者の個人情報を業務の目的の範囲内で収集・保管・使用しなければならないと定めています(本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合を除く)。配慮してほしい範囲は、最初の相談の時点でお伝えいただくのが確実です。
退職はいつまでに伝えればよいですか。残っている有給休暇は使えますか?
民法第627条は、雇用の期間を定めなかったときは各当事者がいつでも解約の申入れをすることができ、雇用は申入れの日から二週間を経過することによって終了すると定めています。これは雇用の期間を定めなかった場合の規定ですので、契約期間の定めがある働き方では扱いが異なります。まずはご自身の労働契約書で期間の定めの有無をご確認ください。一方で就業規則に「1か月前まで」といった定めを置く会社も多く、どちらが優先されるかは個別の事情によります。実務上は引き継ぎに必要な期間から逆算し、就業規則の定めより早めに申し出るほうが円滑です。退職前の年次有給休暇について、厚生労働省の解説は、退職間近に残存年休の全てを使い切って退職したいと申請する場面について、退職をもって年休権が消滅することから使用者は時季変更権を行使しえず、年休取得を認めるほかないとしています。同解説では、引き継ぎのために退職日を遅らせる打診に応じるか否かは労働者に委ねられている、とも説明されています。
Contact

転職のご相談も、採用のご相談も。
まずはお気軽にご連絡ください。

各業界に精通した専任コンサルタントが、あなたに合う一社をご紹介します。企業さまの採用のご相談も歓迎です。
2012年からのリモート体制で、全国どこからでもオンライン相談が可能です。ご相談は無料。無理な勧誘は一切いたしません。