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飲食店で休みが取れないときは?求人票で確かめたい休日と労働時間の条件

飲食店で休みが取れないときは?求人票で確かめたい休日と労働時間の条件

「休みの日にも店から電話がかかってくる」「希望休を出しても通らない」「連休なんて何年も取っていない」。飲食業界で働く方の悩みとしてよく挙がるのが、休みが取れないことです。

ただ、同じ飲食業界でも、休日の決め方や人員の組み方は会社や店舗によって大きく違います。このコラムでは、休日と労働時間について法律が定めている最低限のルールを厚生労働省の解説で確認したうえで、次の職場を選ぶときに求人票で何を見ればよいかを整理します。

飲食店で「休みが取れない」と感じやすい理由

理由はひとつではありませんが、たとえば次のような事情が重なっていることがあります。

  • 営業日が多い:定休日のない店や、土日祝日が書き入れ時の店では、休みが平日に偏ったり、まとまった休みを取りにくかったりします
  • シフトで休みが決まる:休日が固定されていないため、人の都合が合わない月は休みが後回しになりがちです
  • 欠員を社員が埋める:アルバイトの急な欠勤や退職が出たとき、社員が休日に出て穴を埋める店があります
  • 店長・責任者の立場:店を空けられないという意識から、休みの日にも店に出てしまうことがあります

こうした事情の多くは、個人の頑張りではなく、会社の人員体制と休日の仕組みで決まっています。だからこそ、転職するなら仕組みの段階で見分けることが大切です。店長職ならではのつらさについては飲食店の店長がきついと感じたらでも整理しています。

まず知っておきたい、休日と労働時間の基本ルール

求人票を見比べる前に、法律がどこまでを最低限として定めているかを押さえておくと、条件の良し悪しが判断しやすくなります。ここでは厚生労働省の「確かめよう労働条件」の解説をもとに確認します。

法定休日は「毎週1回」または「4週間で4日」

厚生労働省の解説は、休日について「使用者は労働者に毎週少なくとも1回、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません」と説明しています(労働基準法第35条)。あわせて、次の点も示されています。

  • 何曜日を休日と定めても、週によって休日の曜日が異なる定めをしても、労働基準法上は問題ない
  • 休日は、原則として午前0時から午後12時までの継続24時間の暦日で与えなければならない
  • 1日のうち一部でも仕事をさせれば、たとえ1時間くらいの短い時間であっても、その日は休日を与えたことにはならない

つまり、法律が求める休日の最低ラインは、一般的な「週休2日」よりもかなり少ない水準です。法律に違反していないことと、休みが十分にあることは別の話だと考えておくと、求人票の読み方が変わります。また、休日の最低ラインを満たしていても、次に見る労働時間の上限(原則週40時間)は別にかかります。

労働時間は原則「1日8時間・週40時間」、小規模な飲食店は週44時間の特例

労働時間(休憩時間を除いた時間)は、原則として週40時間以内、1日8時間以内に制限されています(労働基準法第32条)。ただし、大阪労働局の解説によると、常時使用する労働者数が9人以下の商業・映画演劇業(映画の製作の事業は除く)・保健衛生業・接客娯楽業は特例措置対象事業場とされ、法定労働時間は1日8時間、1週44時間です。同局はその例として「理美容業、飲食店など」を挙げています。この特例は、第32条そのものではなく、労働基準法第40条にもとづく労働基準法施行規則第25条の2で定められています。

小さな店舗で働いている方は、週の上限が40時間ではなく44時間になっている場合があることも知っておいてください。

変形労働時間制は「週ごとに時間が違ってもよい」仕組み

飲食店の求人では「1か月単位の変形労働時間制」という言葉を見かけることがあります。厚生労働省の解説によると、変形労働時間制は、一定の期間の所定労働時間を平均して週40時間(特例措置対象事業場が1か月単位の変形労働時間制をとる場合は44時間)を超えない定めをすれば、あらかじめ特定した週や日について法定労働時間を超える所定労働時間とすることができる制度です(労働基準法第32条の2など)。

同じ解説は、「特定された週や日の時間を使用者が自由に変更できません」とも説明しています。忙しい週は長く、落ち着いた週は短く、という働き方になるため、求人票にこの記載があれば、1日や1週の労働時間が日によってどのくらい変わるのかを確認しておきたいところです。

休日に働く場合は、36協定と割増賃金が前提になる

法定休日に働かせるには、会社は労働者の過半数を組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数代表者)と「時間外労働・休日労働に関する協定」、いわゆる36協定を結び、労働基準監督署長に届け出なければなりません(労働基準法第36条)。そのうえで、法定休日に労働させた場合は、1時間当たりの賃金の35%以上増しの割増賃金が必要とされています。

また、厚生労働省の解説は「振替休日」と「代休」を区別しています。あらかじめ休日と勤務日を入れ替える振替休日は休日労働にならず、休日に働いた後で代わりの休みを与える代休は休日労働になる、という整理です。ただし同じ解説は、振替によって翌週の労働時間が40時間を超えた場合は、超えた部分に時間外労働の割増賃金が必要になると注意しています。「休日出勤しても後で代休を取ればよい」と言われたときは、この違いを思い出してください。

店長は休日のルールの対象外?肩書きではなく実態で判断されます

厚生労働省の解説は、労働基準法第41条により、管理監督者(同解説の表記では「監督もしくは管理の地位にある者」)には労働時間・休憩・休日に関する規定が適用されないと説明しています。ただし同じ解説は、管理監督者にあたるかどうかは肩書きではなく、職務内容、責任と権限、勤務態様、待遇を踏まえて実態により判断すると説明しています。

同じ解説では、多店舗展開する小売業・飲食業などの店長について、店舗のアルバイト・パートなどの採用に関する責任と権限が実質的にない場合や、勤務割表の作成または所定時間外労働の命令を行う責任と権限が実質的にない場合などが、管理監督者性を否定する重要な要素として示されています(平成20年9月9日基発第0909001号)。人員が不足する場合にアルバイト・パートなどの業務に自ら従事しなければならず、長時間労働を余儀なくされ、実際には労働時間に関する裁量がほとんどない場合なども、否定する補強要素として挙げられています。なお同じ解説は、これらの否定要素に当たらないものがあるからといって、直ちに管理監督者として認められるわけではないとも注意しています。また、管理監督者であっても、年次有給休暇や深夜割増賃金に関する規定は適用が除外されないとされています。ご自身の扱いが気になる場合は、最寄りの労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどで相談できます。

年次有給休暇は、年5日の取得が会社の義務になっています

厚生労働省の解説によると、2019年4月1日以降の基準日に年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、会社はその基準日から1年以内に5日以上を取得させる義務を負っています(労働基準法第39条)。労働者本人が自分で5日取得した場合や、計画的付与で5日分が与えられた場合には、会社が時季を指定する義務はなくなります。なお、入社から6か月が経っていない方や、週の所定労働日数が少なく付与日数が10日に満たない方は、この義務の対象にならない場合があります。ただし、週の所定労働日数が少ない方にも、労働日数に応じた日数の年次有給休暇が付与される仕組み(比例付与)がある、と同じ解説は説明しています。

年次有給休暇がいつから付与されるか、取る日を誰が決めるかといった基本は、在職中の転職活動はどう進める?で詳しく説明しています。

求人票で確かめたい5つの条件

厚生労働省の解説によると、会社は労働者を募集するときに、労働時間や賃金などの労働条件を明示することが義務付けられています(職業安定法第5条の3)。同じ解説は、募集時に書面で明示すべき事項として、始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項などを挙げています。つまり、休みに関する情報は本来、求人票や募集要項に書かれているはずのものです。次の5点を順に見ていくと、職場ごとの違いが見えてきます。

① 休日の数を「年間」「月あたり」の数字で確かめる

「週休2日制」「シフト制」といった言葉だけでは、実際に年間何日休めるのかは分かりません。年間休日数や月あたりの休日数が数字で書かれているかを見てください。書かれていなければ、応募前や面接で確認しておきたい項目です。夏季休暇・年末年始休暇などが年間休日に含まれているのか、別に取れるのかも、会社によって扱いが分かれます。

② 休日が「固定」か「シフト」か、シフトならどう決まるか

定休日に合わせて休みが固定されている職場と、シフトで毎月決まる職場では、予定の立てやすさが違います。シフト制の場合、厚生労働省は、会社と労働者で話し合ってシフトの決定に関するルールを定めておくことが考えられるとし、たとえば次のような事項を挙げています。

  • シフト表の作成時に、事前に希望を確認してくれるか
  • 決定したシフトを通知する際の期限や方法
  • 確定したシフトを変更する場合の期限や手続

同じ解説では、一旦確定した労働日や労働時間等の変更は、基本的に労働条件の変更に該当し、会社と労働者双方の合意が必要とされています。希望休をいつまでに出すのか、月に何日まで指定できるのか、といった運用を聞いておくと、入社後の働き方が想像しやすくなります。

③ 1日の勤務時間と労働時間制度

始業・終業の時刻と休憩時間、そして変形労働時間制をとっているかどうかを確認します。ランチとディナーの間に長い休憩をはさむ「中休み」がある店では、拘束時間と実際の労働時間に差が出ることがあります。休みの日数だけでなく、出勤した日がどれくらいの長さになるのかもあわせて見ることで、体の休まり方を判断しやすくなります。

④ 時間外労働・休日出勤の有無と、その目安

所定労働時間を超える労働の有無は、募集時に明示すべき事項のひとつです。「あり」とだけ書かれている場合は、月平均でどのくらいか、繁忙期にどのくらい増えるのかを確かめておきたいところです。休日出勤がある場合は、振替休日になるのか、代休になるのかも聞いておくと安心です。

⑤ 年次有給休暇の取り方

年次有給休暇は法律で定められた制度ですが、実際の取りやすさは職場によって違います。半日単位で取れるか、連休につなげて取れるか、年5日の取得をどのように進めているか(本人の申請か、計画的付与か)などを聞くと、休みに対する職場の考え方が見えてきます。

求人票だけでは分からないことの確かめ方

店舗の体制は人数と営業時間で見る

休みの取りやすさを左右するのは、制度だけではありません。1シフトあたりの人数、社員とアルバイトの割合、営業時間、定休日の有無といった店舗の体制が、欠員が出たときに誰が埋めるのかを決めます。こうした情報は求人票には書かれていないことも多いため、面接や職場見学の機会があれば確認しておきたいポイントです。

採用が決まったら、労働条件は書面で確認する

厚生労働省の解説によると、会社は労働契約を結ぶときに、始業・終業時刻、休憩、休日などの労働条件を書面で明示しなければなりません(労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条)。シフト制の場合も、すでに始業・終業時刻が確定している日については、労働条件通知書などに単に「シフトによる」と記載するのでは足りないとされ、休日についても、具体的な曜日等が確定していない場合は休日の設定にかかる基本的な考え方などを明示しなければならない、と説明されています。なお、労働者が希望した場合には、書面の代わりに、FAXや、出力して書面にできる電子メールなどで明示する方法も認められています。

求人票で見た条件と、労働条件通知書の内容が食い違っていないかを、入社前に必ず照らし合わせてください。ハローワークの求人票に書かれた条件と面接で説明された条件が違う場合は、ハローワークの窓口や「ハローワーク求人ホットライン」に申し出ることができる、と厚生労働省は案内しています。

聞きづらいことは、エージェントに代わりに聞いてもらう方法もあります

「面接で休みのことばかり聞くと、やる気がないと思われないか」と心配される方は少なくありません。厚生労働省の解説も、労働条件を詳しく聞きたいのに嫌がられるのではないかと思ってためらう方がいる、という前提に立って、求人票や労働条件通知書で条件を確かめることをすすめています。

人材紹介会社を通して応募する場合は、ご本人が直接聞きにくい休日や働き方のことを、担当者が代わりに企業へ確認するという進め方もできます。

休みが取れる働き方に変えるための選択肢

「休みが取れない」状態を変える方法は、退職だけではありません。

  • 今の職場で相談する:シフトの希望の出し方や人員の配置について、ルールを決めてもらえないか相談する
  • 同じ飲食業界で、休日の仕組みが違う会社に移る:定休日を設けている店、営業時間の短い業態、シフトの運用ルールがはっきりしている会社など、休日の形は会社によってさまざまです
  • 店舗以外の職場に目を向ける:本部やセントラルキッチンなど店舗以外の部門では、勤務時間帯や休日の形が店舗と異なる場合があります。調理経験を活かせる仕事の広げ方は調理師の経験を活かせる仕事は?でも紹介しています

どの道を選ぶ場合でも、「次は年間何日休みたいのか」「連休は必要か」「土日の休みはどのくらい欲しいか」を先に言葉にしておくと、求人を見比べるときの軸がぶれにくくなります。

株式会社ウーヴルコンサルティングにできること

株式会社ウーヴルコンサルティングの飲食専門 人材紹介は、飲食業界に精通したコンサルタントが担当しています。外食企業や飲食店で働いた経験を持つ担当や、飲食店コンサルタントの経験者もいます。日々クライアントの店舗へ足を運び、求人票には表れない雰囲気や働き方まで把握したうえでご紹介しています。給与・休日・職場環境など、ご自身では直接聞きづらい点も、担当が代わって企業にお伺いします。詳しくは飲食専門 人材紹介事業のページをご覧ください。

2012年からのリモート体制で、全国どこからでもオンラインでご相談いただけます。今すぐ転職を決めていなくても構いません。「今の休み方が普通なのか知りたい」という段階のご相談も歓迎しています。ご相談から入社後までの進め方は転職サポートの流れにまとめています。

まとめ

  • 法律上の休日の最低ラインは毎週1回または4週間で4日。法律に違反していないことと、休みが十分にあることは別
  • 労働時間は原則1日8時間・週40時間。常時9人以下の飲食店などは週44時間の特例がある
  • 店長でも、管理監督者にあたるかは肩書きではなく実態で判断される
  • 求人票では休日数・休日の決め方・1日の勤務時間・時間外と休日出勤・有給の取り方の5点を確かめる
  • 採用が決まったら、労働条件は書面で確認し、求人票と照らし合わせる

法令や制度の取扱いは改正により変わることがあります。最新の内容は、厚生労働省「確かめよう労働条件」の時間外・休日労働と割増賃金、労働条件の明示、アルバイト先でのトラブル(シフト制で働く際に気を付けること)、年次有給休暇、大阪労働局「その他の基礎知識~休憩時間など~」をご確認ください。本記事では、これらのページの内容を要約・編集して紹介しています。個別の労働条件についてのご相談は、お住まいの地域の労働局・労働基準監督署の総合労働相談コーナーでも受け付けています。

よくあるご質問

飲食店で週1日しか休みがないのは違法ですか?
厚生労働省の解説によると、労働基準法第35条は、使用者は労働者に毎週少なくとも1回、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないと定めています。そのため、週1日の休みであることだけで直ちに違法になるとは限りません。ただし、労働時間には原則1日8時間・週40時間(常時9人以下の飲食店などは週44時間)の上限があり、これを超えて働かせるには36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要です。個別の状況が気になる場合は、労働局・労働基準監督署の総合労働相談コーナーなどで相談できます。
求人票に「シフト制」としか書かれていない場合はどうすればよいですか?
休日の数や決め方は、応募前や面接で確認しておきたい項目です。厚生労働省の解説では、シフト制で働く場合の労働条件通知書などについて、すでに始業・終業時刻が確定している日はその時刻を明示する必要があり、単に「シフトによる」と記載するのでは足りないとされています。休日についても、定まっていれば明示し、具体的な曜日等が確定していない場合は休日の設定にかかる基本的な考え方などを明示しなければならないと説明されています。採用が決まったら、書面の内容と求人票の条件を照らし合わせてください。
面接で休日のことを聞くと、印象が悪くなりませんか?
休日や労働時間は、入社後の働き方を左右する大切な労働条件です。会社には募集時に休日などの労働条件を明示することが求められており、確認すること自体はおかしなことではありません。直接聞きにくい場合は、人材紹介会社の担当者が代わりに企業へ確認する方法もあります。株式会社ウーヴルコンサルティングでも、給与・休日・職場環境など聞きづらい点を担当が代わってお伺いしています。
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