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職務経歴書が書けないときの整理術|経験を「実績」に変える3ステップ

職務経歴書が書けないときの整理術|経験を「実績」に変える3ステップ

転職しようと動き始めて、最初につまずくのが職務経歴書です。ファイルを開いたまま何時間も進まない、書き出しては消す、そもそも「書けるような実績がない」と感じて手が止まる——ご相談のなかでもとても多いお悩みです。ただ、書けない原因のほとんどは文章力ではありません。経験を思い出す順番と、実績の定義がずれているだけのことがほとんどです。この記事では、材料を集める棚卸しの3ステップと、数字が出しにくい仕事でも経験を「実績」として書く方法を、順にご説明します。

職務経歴書が書けなくなる3つの理由

まず、なぜ手が止まるのかを整理しておきます。原因が分かると、対処の順番が決まります。

「書くことがない」のではなく、思い出す順番が決まっていない

白紙の状態で「これまでの経験を書いてください」と言われて、すらすら書ける人はほとんどいません。日々の仕事は無数の作業の積み重ねで、記憶のなかでは順番も大きさもばらばらに置かれているからです。

書けないと感じるとき、多くの場合は材料が足りないのではなく、材料を並べる順番が決まっていない状態です。先に順番を決めてしまえば、書く作業はぐっと軽くなります。

「特別な実績」と比べてしまう

もうひとつ多いのが、売上を大きく伸ばした、新しい仕組みを立ち上げた、といった目立つ成果と自分を比べてしまうパターンです。そこと比べれば、たいていの人は「書くことがない」となります。

ですが、採用担当者が知りたいのは表彰歴ではなく、「入社したあと、うちの仕事を任せられるかどうか」です。日々きちんと回してきた仕事も、書き方しだいで十分な判断材料になります。

「正解の形」が一つに決まらない

履歴書とちがい、職務経歴書は決まった一つの形が用意されているわけではありません。ハローワーク相模原の応募書類の案内でも、履歴書は「人生の足跡」を決まった形式で書くものとされる一方、職務経歴書は「仕事の足跡」であり、応募先の企業および仕事内容等にあわせて変化する情報と説明されています(出典:ハローワーク相模原「応募書類作成について」)。

つまり、どこに出しても同じ1枚を完成させようとすると行き詰まります。応募先ごとに組み替える前提で、まず「材料」を作る。これが遠回りに見えていちばん早い進め方です。

書き始める前の棚卸し|3ステップで材料を集める

いきなり清書しようとせず、メモ帳やノートで構いませんので、次の順番で書き出してみてください。ここで集めたものが、そのまま職務経歴書の中身になります。

ステップ1:職歴の骨格を並べる

まずは事実だけを、時系列で並べます。中身の良し悪しは考えません。

  • 会社名・在籍期間(年月)
  • 事業内容と規模(店舗数、施設の定員、部署の人数など)
  • 所属と役職、担当していた範囲
  • 異動・昇格・担当替えのタイミング

ここが埋まると、自分のキャリアの「地図」ができます。あとから応募先に合わせて拡大する場所・縮める場所を決めるための土台になります。

ステップ2:1日・1か月の動きを書き出す

次に、それぞれの在籍期間ごとに、ふだんの1日と、1か月のなかで発生する仕事を書き出します。「朝いちばんに何をしていたか」「月末に何が発生していたか」と自分に問いかけると出てきやすくなります。

ここでのコツは、当たり前だと思っている作業ほど書き出すことです。シフトの調整、発注量の判断、新人への教え方、クレームが起きたときの初動——本人にとっては日常でも、応募先の企業から見れば「その経験があるなら任せられる」と判断される材料になります。

ステップ3:公的なサイトの言葉を借りて、名前をつける

書き出した作業に名前がつかないときは、公的なサイトの表現を借りると早く進みます。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」は、職業ごとの仕事の内容や、求められる知識・スキル、就業までの方法などを調べられる公的なサイトです(job tag(職業情報提供サイト))。自分の職種のページを開き、書かれている仕事内容やスキルの表現のうち、実際に自分がやってきたものを拾っていくと、「やっていたのに書けていなかったこと」が見つかります。

また、厚生労働省の「ジョブ・カード」は、キャリアコンサルティングなどの相談支援の場面でも用いられ、求職活動やキャリア形成に役立つものとして案内されています(マイジョブ・カード(厚生労働省))。様式に沿って書いていくだけで職歴と経験が整理されるため、棚卸しの下書きとして使うこともできます。

経験を「実績」に変える書き方

材料がそろったら、次は書き方です。ここが「書くことがない」を解消する山場になります。

実績とは、大きな数字ではなく「前と後の変化」

実績を「誇れる成果」と考えると書けなくなります。担当する前と後で、何がどう変わったか——そう置き換えてみてください。

  • 手順が決まっていなかった作業を、手順書にまとめた
  • 入ったばかりのころ数日かかっていた作業を、半日で回せるようにした
  • 自分が入ってから、新人が一人で任せられるようになるまでの期間が短くなった
  • それまで店長しか把握していなかった発注を、自分も判断できるようにした

どれも表彰されるような話ではありませんが、採用する側から見れば「同じことをうちでもやってくれそうだ」と読み取れる情報です。

数字が出しにくい仕事で使える4つのものさし

売上や件数といった数字を持っていない職種でも、次の4つは書けることが多いものです。

  • 規模:席数、客単価帯、施設の定員、担当した人数、扱った品目数
  • 頻度:1日あたりの対応件数、月に何回の会議・締め処理
  • 期間:その業務を何年担当したか、立ち上げに何か月かかったか
  • 範囲:どこからどこまでを任されていたか(発注のみ/採用面接まで/数字の管理まで)

「30席・スタッフ8名の店舗で、シフト作成と発注を担当」と書くだけでも、規模と範囲が伝わります。数字は大きさを競うためではなく、読む人が場面を想像できるようにするために添えるものだとお考えください。

職種ごとの言い換え例

ふだんの言葉のままでは伝わりにくいものを、応募先に伝わる形に置き換えてみます。

  • 飲食:「シフトを組んでいた」→「スタッフの勤務計画を作成し、繁閑にあわせた人員配置を担当(在籍人数を添える)」/「食材を頼んでいた」→「原価率を見ながら発注量を調整」
  • 医療・介護:「記録をつけていた」→「日々の記録と申し送りを担当し、他職種との情報共有を実施」/「新人を見ていた」→「新入職員の指導担当として、業務手順の教育を担当」
  • 事務・営業:「引き継ぎ資料を作った」→「担当業務の手順を文書化し、後任が独力で対応できる状態に整備」

職種ごとの言い換えは、その業界の採用の現場を知っている人ほど精度が上がります。当社は飲食専門の人材紹介医療・介護の人材紹介総合の人材紹介の3本柱で、それぞれの分野を担当するコンサルタントが対応しています。とくに飲食分野は、外食企業の出身者や飲食店のコンサルティング経験者など、現場を知る担当が日ごろからクライアントの店舗に足を運んでいます。

やらないほうがよい書き方

最後に、書くときに気をつけたい点です。

  • 盛らない:担当していない範囲まで書くと、面接での質問に答えられず、かえって評価を落とします。入社後にも響きます
  • 言い切りすぎない:自分ひとりの成果ではない場合は「チームで取り組み、自分は仕入れ管理を担当」のように、役割を分けて書くほうが、話がふくらみます
  • 秘密にあたる情報を書かない:具体的な取引先名、非公開の売上、患者・利用者の情報などは書きません。「大手コンビニチェーン向け」「定員規模を添えた施設」のように、範囲がわかる書き方に置き換えます

読みやすい職務経歴書の形と分量

中身の材料がそろえば、あとは並べ方です。凝ったデザインは必要ありません。

分量はA4で2枚までを目安に

前述のハローワーク相模原の案内では、職務経歴書について「A4サイズ2枚までで、レイアウトを工夫し読みやすい書類を目指しましょう」とされています。経験が長い方ほど、すべてを詰め込むと読みにくくなります。応募先に関係の薄い時期は思い切って短くまとめ、関係の深い経験に行数を使ってください。

並べる順番の基本

一般的には、次の並びにすると読み手が追いやすくなります。

  • 職務要約:これまでの経歴を数行でまとめる。ここだけで人物像が伝わるように書く
  • 職務経歴:会社ごとに、事業内容・規模・担当業務・工夫した点や変化
  • 活かせる経験・知識・資格:応募先の仕事に直接つながるものを上に
  • 自己PR:応募先で何をしたいか、なぜできると考えるか

並べ方は、新しい経歴から書く方法と、古い順に書く方法、担当業務ごとにまとめる方法があります。転職回数が多い方や、同じ職種を複数社で経験している方は、会社ごとではなく業務ごとにまとめると読みやすくなることがあります。

応募先ごとに入れ替える

職務経歴書は、一度作って終わりではありません。応募先が変われば、前に出すべき経験も変わります。土台となる「全部入り」のファイルを1つ作っておき、応募のたびに順番と分量を入れ替えるのが、結果的にいちばん手間がかかりません。

それでも手が止まるときは、人に話しながら書く

ここまでの手順で材料は集まりますが、それでも「これは書いていいことなのか」「この表現で伝わるのか」は、自分ではなかなか判断がつきません。そういうときは、書く前に人に話すほうが早く進みます。

公的な相談先を使う

ハローワークインターネットサービスでは、「ハローワークでは、履歴書や職務経歴書の書き方、面接の受け方などのセミナーを開催しています。また、職業相談窓口では、書類の添削アドバイスなども行っています」と案内されています(ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」)。「職務経歴書の作り方」のパンフレットと別冊ワークブックも公開されていますので、書き出しの型を知りたい方はこちらから始めるのもよい方法です。

エージェントに下書きを見せる

もうひとつの方法が、人材紹介会社に途中の状態で見せてしまうことです。完成させてから相談する必要はありません。むしろ箇条書きのメモの段階でお見せいただくほうが、応募先に合わせた組み立てをご提案しやすくなります

当社では、企業の内情まで把握したうえでご紹介するようにしています。「この会社は経験の幅より定着を重視している」「この施設は教育体制を整えている最中で、指導経験を評価する」といった背景がわかると、同じ経歴でも前に出す部分が変わります。ご本人からは聞きづらいことは、私たちが代理でお尋ねすることもできます。2012年からリモートでの相談体制を取っていますので、遠方の方や在職中で時間が取りにくい方も、ご都合にあわせてご相談いただけます。

転職を決めていない段階でも構いません

「まだ転職すると決めたわけではないけれど、書けるかどうかだけ知りたい」——その段階でのご相談も歓迎しています。職務経歴書を作る作業は、そのまま自分の経験を棚卸しする作業でもあります。書いてみた結果、いまの職場で次の役割を目指すという結論になっても構いません。迷っている段階での相談については、転職を迷っている段階で相談してもいい?エージェントの使いどきと流れで詳しくご説明しています。

ご相談から入社後までの進め方は転職サポートの流れをご覧ください。書きかけの原稿や、まだ何も書けていない状態でのご相談も、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

まとめ

職務経歴書が書けないのは、文章が苦手だからではありません。順番が決まっていないことと、実績のものさしが大きすぎることが原因であることがほとんどです。

  • いきなり清書せず、職歴の骨格→1日の動き→名前をつける、の順で材料を集める
  • 実績は「前と後の変化」。規模・頻度・期間・範囲の4つのものさしで書ける
  • A4で2枚までを目安に、応募先ごとに順番と分量を入れ替える
  • 迷ったら、公的な相談窓口や人材紹介会社に途中の状態で見せる

手が止まったままの時間がいちばんもったいないので、まずはメモ帳に会社名と在籍期間を並べるところから始めてみてください。

よくあるご質問

職務経歴書に決まった様式はありますか?
履歴書とちがい、職務経歴書は応募先にあわせて内容が変わる書類です。ハローワーク相模原の応募書類の案内でも、職務経歴書は『応募先の企業および仕事内容等にあわせて変化する情報』とされ、A4サイズ2枚までで読みやすくまとめることがすすめられています。市販のテンプレートや公的機関の様式例を土台にして、応募先ごとに順番と分量を入れ替えるとよいでしょう。
アピールできる実績がない場合は、どう書けばいいですか?
実績を『表彰されるような成果』と考えると書けなくなります。担当する前と後で何が変わったか(手順を文書化した、後任が一人で回せるようになった等)に置き換えてみてください。数字が出しにくい職種でも、規模・頻度・期間・範囲の4つは書けることが多く、読む人が場面を想像できる材料になります。
職務経歴書の添削は、どこで受けられますか?
ハローワークインターネットサービスでは、ハローワークで履歴書や職務経歴書の書き方・面接の受け方などのセミナーを開催しており、職業相談窓口でも書類の添削アドバイスなどを行っていると案内されています。当社でも、ご相談の際に応募先にあわせた組み立てを一緒に整理しています。完成していない箇条書きの段階でも構いません。
転職するか決めていませんが、書類の相談だけでもいいですか?
はい、その段階でのご相談も承っています。職務経歴書を作る作業は自分の経験を棚卸しする作業でもあり、書いてみた結果『いまの職場で次の役割を目指す』という結論になっても構いません。書きかけの箇条書きや、まだ何も書けていない状態でお持ちいただいても構いません。
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