verifiedご相談・ご登録 0円
お役立ちコラム

40代・50代の転職は本当に厳しい?求人が動く分野と準備の順番

40代・50代の転職は本当に厳しい?求人が動く分野と準備の順番

「40代を過ぎたら転職は厳しい」「50代の求人なんてないでしょう」——ご相談の場でも、いちばん多く聞く言葉かもしれません。ただ、実際にお話をうかがっていくと、厳しいと感じている中身は人によってばらばらです。応募先が見つからないのか、書類で止まっているのか、条件が折り合わないのか。どこで詰まっているかによって、打つ手はまったく変わります。この記事では、年齢と求人の関係を法律と公表データから整理したうえで、中高年の求人が動きやすい分野と、準備の順番をご説明します。

「40代・50代は厳しい」と言われる理由を分解する

まず、厳しさの正体を分けて考えます。ひとくくりにすると対策が立てられません。

求人票から「年齢」が見えなくなっている

いまの求人票には、原則として年齢の条件が書かれていません。後述のとおり法律で年齢制限が原則禁止されているためです。応募する側から見ると、自分が対象なのかどうかが求人票から読み取れない状態になります。手当たりしだいに応募して落ち続けると、「年齢のせいだ」という結論になりやすいのですが、実際には求める経験と合っていないだけ、ということも少なくありません。

実質的に若手を想定した求人も残っている

年齢制限が原則禁止といっても、例外は認められています。たとえば、期間の定めのない労働契約の対象として、長期勤続によるキャリア形成を図る観点から若年者等を募集・採用する場合は、例外事由にあたります。こうした求人は最初から想定する層が違うため、経験を積んだ方が応募しても評価されにくいことがあります。落ちた理由が能力ではなく、求人の設計そのものにあるケースです。

応募先が減るのではなく、探し方が変わる

年齢が上がるほど、「未経験でも人柄で採用」という枠は減っていきます。かわりに増えるのが、特定の業務を任せられるかどうかで採る求人です。募集の数が減るのではなく、通る道筋が変わると考えたほうが実態に近く、対策も立てやすくなります。

法律から見た「年齢」の扱い

ここは事実として押さえておくと、求人の見え方が変わります。

募集・採用の年齢制限は原則として禁止されている

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)の改正により、募集・採用における年齢制限は禁止されています(平成19年10月1日施行)。ハローワークインターネットサービスでも、労働者の募集・採用にあたっては、例外事由に該当する場合を除き年齢を不問にしなければならないと案内されています(ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」)。

例外事由には「高年齢者に限定した募集」も含まれる

同ページで示されている例外事由には、次のようなものがあります。

  • 1号:定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
  • 3号イ:期間の定めのない労働契約の対象として、長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を募集・採用する場合(上限のみ設定が可)
  • 3号ロ:技能・ノウハウ等の継続の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(30〜49歳の範囲内で上限および下限のいずれも設定する場合に限り可)
  • 3号ニ:60歳以上の高年齢者、就職氷河期世代(35歳以上55歳未満)または特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る)の対象となる者に限定して募集・採用する場合

注目したいのは3号ロと3号ニです。技能の継承を理由に年齢層を限定できるのは30〜49歳の範囲内と決められていますので、40代の方はここに含まれます。50代の方については、就職氷河期世代(35歳以上55歳未満)を対象とした募集や、60歳以上に限定した募集が例外として認められています。「年齢が上がると求人がなくなる」という単純な話ではないことが、法律の枠組みからも読み取れます。

定年後も働ける制度は広がっている

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)では、事業主に対し、65歳までの安定した雇用の確保を目的とした措置(定年制の廃止・定年の引上げ・継続雇用制度の導入のいずれか)が義務付けられています。さらに70歳までの就業機会の確保については、事業主の努力義務とされています。

厚生労働省が公表した令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果(令和7年12月19日公表・令和7年6月1日現在・常時雇用する労働者が21人以上の企業237,739社の集計)では、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は34.8%、65歳以上を定年とする企業(定年制の廃止企業を含む)は34.9%と公表されています(厚生労働省「令和7年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果を公表します」)。

40代・50代からの転職では「入社後に何年働けるのか」が気になるところですが、制度としては65歳までの雇用確保が前提になっており、70歳までの就業機会(雇用のほか、業務委託契約や社会貢献事業に従事する制度といった雇用以外の措置も含みます)を確保している企業も一定数あります。なお制度は改正により変わることがありますので、最新の内容は厚生労働省や都道府県労働局の公表情報をご確認ください。

中高年の経験が評価されやすい分野

ここからは、実際にどのあたりで求人が動いているのかを見ていきます。

まず全体の温度感を知っておく

厚生労働省の一般職業紹介状況(令和8年6月分・令和8年7月31日公表)によると、令和8年6月の有効求人倍率は1.18倍、新規求人倍率は2.16倍、正社員有効求人倍率(季節調整値)は1.00倍でした。都道府県別(就業地別)では最高が福井県の1.72倍、最低が大阪府の0.96倍と、地域によって二倍近い開きがあります(厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)について」)。

これは年代別の数字ではなく全体の数字ですが、「求人そのものが枯れている」わけではないこと、そして探す地域によって状況がかなり違うことは押さえておいて損がありません。通勤圏を少し広げるだけで選択肢が変わることもあります。

経験がそのまま評価につながりやすい仕事

私たちが日ごろ扱っている求人のなかで、40代・50代の方の相談が具体的に進みやすいのは、次のような性質を持つ仕事です。

  • 人手が慢性的に足りていない現場:介護・福祉、飲食、運輸、施設管理など。年齢よりも「続けて働けるか」「現場を回せるか」が重視されやすい
  • 教育・指導を任せたい職場:新人が定着しない、教える人がいない、という課題を抱えている職場では、経験そのものが役割になります
  • 店舗・拠点の運営を任せる仕事:数字の管理、シフト、発注、クレーム対応まで含めて任せられる人は、募集をかけてもなかなか集まりません
  • 技能の継承が課題になっている職種:30〜49歳の範囲で年齢層を限定できる例外事由(3号ロ)が置かれているのも、この事情が背景にあります

いずれも共通しているのは、「未経験の若手を育てる」より「いま回せる人に入ってほしい」という求人だという点です。応募のときも、意欲より先に「引き受けられる範囲」を伝えるほうが話が進みます。

職業ごとの状況は公的サイトでも調べられる

職業ごとの仕事の内容や求められる知識・スキルは、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも調べられます(job tag(職業情報提供サイト))。気になる職業のページを開くと、その仕事に就くまでの道筋や、どのような人が向いているかもあわせて確認できます。求人サイトの見出しだけで判断せず、こうした公的な情報も一度見ておくと、狙いを定めやすくなります。

40代・50代の転職で、通りやすくなる準備

分野が見えたら、次は自分側の準備です。ここは年齢に関係なく効きますが、経験が長い方ほど効果が出やすい部分です。

「できること」ではなく「引き受けられる範囲」を書く

経験が長いほど、書けることは増えます。ただ、読む側が知りたいのは一覧ではなく、入社後にどこまで任せられるかです。「発注と原価管理まで担当」「新人教育の担当として指導を担当」のように、範囲がわかる書き方に整えるだけで伝わり方が変わります。書き方の手順は職務経歴書が書けないときの整理術で詳しくご説明しています。

条件は優先順位をつけ、幅を持たせる

年収、勤務地、役職、休日——すべてを満たす求人を待っていると、選択肢はどうしても狭くなります。どうしても外せない条件を2つまで決め、残りは幅を持たせるのが現実的です。待遇は企業や時期によって変動しますので、最初から一点に絞り込まないほうが動きやすくなります。

在職中に動き始める

辞めてから探すと、収入の不安から判断が急ぎがちになります。在職中であれば、納得できる求人が出るまで待つという選択もできます。期間を区切って情報を集めるところから始めるのがおすすめです。

応募先の定年・再雇用の制度を確認する

50代の転職では、入社後の年数が現実的な論点になります。定年年齢、継続雇用の有無、評価や賃金の仕組みが定年後にどう変わるのかは、応募前に確認しておきたいところです。求人票からは読み取りにくい部分ですが、私たちのような仲介が入っている場合は、代理でお尋ねすることができます

ひとりで抱えず、相談から始める

40代・50代の転職は、20代のころのように「とりあえず応募して感触をつかむ」進め方が向きません。応募のたびに時間も気力も使いますし、在職中であればなおさらです。だからこそ、動く前に情報を集めて、狙いを決めてから応募するほうが結果的に早く進みます。

当社が扱っているのは、飲食専門医療介護総合の3分野です。中高年の方のご相談では、定年後の扱いや評価の仕組み、教育体制、人の入れ替わりといった、求人票からは読み取れない部分がとくに大切になります。こうした点は企業の内情を把握したうえでご説明しますし、ご本人からは聞きづらいことは代理でお尋ねします。相談はリモートでも承っていますので(2012年からの体制です)、在職中で時間が取りにくい方や遠方の方もご利用いただけます。

初回のご相談から入社後までの進め方は転職サポートの流れにまとめてあります。「まだ決めていないが、選択肢だけ知っておきたい」という段階でも構いませんので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

まとめ

「40代・50代の転職は厳しい」という言葉は、実態としては「通る道筋が変わる」という話に近いものです。

  • 募集・採用の年齢制限は原則禁止(平成19年10月1日施行)。ただし例外事由があり、技能継承のための募集(30〜49歳の範囲内)や、就職氷河期世代・60歳以上に限定した募集も認められている
  • 65歳までの雇用確保措置は事業主の義務、70歳までの就業確保措置は努力義務。令和7年の報告では65歳まで99.9%、70歳まで34.8%の企業が実施済み(常時雇用21人以上の企業の集計)
  • 令和8年6月の有効求人倍率は1.18倍。地域差が大きく、通勤圏を広げると選択肢が変わることがある
  • 当社の実感として相談が進みやすいのは「いま回せる人に入ってほしい」という求人。意欲より先に、引き受けられる範囲を伝える

まずは、これまでの経験のうち「任せられていた範囲」を書き出すところから始めてみてください。そこが整理できていれば、応募先を選ぶ段階から迷いが減ります。

よくあるご質問

求人票に年齢が書かれていないのは、なぜですか?
労働施策総合推進法の改正により、募集・採用における年齢制限は原則として禁止されているためです(平成19年10月1日施行)。ハローワークインターネットサービスでも、例外事由に該当する場合を除き年齢を不問にしなければならないと案内されています。ただし例外事由に該当する求人もあるため、求人票から想定されている層が読み取りにくくなっている面はあります。
40代・50代を対象にした求人は、そもそもあるのでしょうか?
年齢制限の例外事由には、技能・ノウハウ等の継続の観点から特定の年齢層に限定して募集する場合(3号ロ。設定できるのは30〜49歳の範囲内に限られます)や、60歳以上の高年齢者・就職氷河期世代(35歳以上55歳未満)などに限定して募集する場合(3号ニ)が含まれています。年齢が上がると求人がなくなるという単純な話ではなく、求められる役割が変わるとお考えいただくのが実態に近いです。
転職したあと、何歳まで働けるのか心配です。
高年齢者雇用安定法では、65歳までの安定した雇用の確保を目的とした措置が事業主に義務付けられ、70歳までの就業機会の確保は努力義務とされています。厚生労働省の令和7年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果では、常時雇用する労働者が21人以上の企業237,739社の集計として、65歳までの措置を実施済みの企業が99.9%、70歳までの措置を実施済みの企業が34.8%と公表されています(70歳までの措置には、業務委託契約や社会貢献事業に従事する制度といった雇用以外の措置も含まれます)。応募先ごとの定年や継続雇用の扱いは求人票から読み取りにくいため、事前に確認しておくことをおすすめします。制度は改正により変わることがあります。
何から準備すればよいですか?
これまでの経験のうち『任せられていた範囲』を書き出すところから始めてください。応募先が知りたいのは経験の一覧ではなく、入社後にどこまで任せられるかです。書類の整理の手順は当社コラム『職務経歴書が書けないときの整理術』でご説明しています。まだ転職を決めていない段階でのご相談も承っています。
Contact

転職のご相談も、採用のご相談も。
まずはお気軽にご連絡ください。

各業界に精通した専任コンサルタントが、あなたに合う一社をご紹介します。企業さまの採用のご相談も歓迎です。
2012年からのリモート体制で、全国どこからでもオンライン相談が可能です。ご相談は無料。無理な勧誘は一切いたしません。